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五月十日 日比谷公会堂講演 『勇気百倍法』を見る。(2)

さて、政治に関しても話をしている。

 『若い人達、どうか宗教や政治を卑しんだり、蔑んだり、つまらないとか、くだらないと言わないでください。

 宗教家も、政治家も本物は真剣です。

 本当に世の中をよくしようと思っているんです。』

 そのとおり。つきあってみればわかるが、宗教家や政治家を悪として描いているのは、マスコミや知識人たちの「教育」でしかない。
 
 まあ、マスコミや物書きなどは、みんな「冷笑する側」であって、責任をとって大きな仕事をするタイプではないお歴々であるから、世の中を本気でよくするという発想のみで動く人間など想像もつかないのであろう。

 『夢の未来を開いていこうではありませんか。

 この後、政党の宣言もありますけれども、幸福の科学の世直しの一貫です。

 これは無くてならないものです。

 いずれ全世界において素晴らしい政治が行われるような運動も起こしていきたい。』 

 ここで、総裁の真意が出た、と思う。
 
 他意はない。
 本当に、世直しのために、政党を作る。
 そして、国内で成功したら、世界にも「実現党」という政治運動を広げていく。
 たとえば、今後、北朝鮮の独裁国家や、中国の全体主義などが瓦解した際に、モデルとなるような政治を作りたいのではなかろうか。
 (瓦解させるには一戦交えねばならぬだろうが)

 面白い発想だ。
 国内で政治家をやろうとしている人たちの発想は、政党を作っても、
「我々の発明する政治形態を、海外にまで広げる」という発想をしたことがある人は聞いたことがない

 むしろ、海外のものを学んで、日本でやろう、というのが圧倒的だった。

 だが、この総裁の発想は常に逆である。
 マルクス主義が日本で盛んであるように、日本発祥の政治思想を世界に広めていく。
 日本人としては心楽しい。
 それにしても、普通は考えつかない。
 これは、宗教団体を起こし、世界にその思想を広めることのできた御仁のスケールのでかい発想であると思われた。

 なにより、テーマと絡んで、重要と思われた台詞は、次の言葉である。

 『皆様の体力が百倍になることもないかもしれません。

 皆様の知力が百倍になることもないかもしれません。

 みなさんの人生の活動期間が百倍になることもないかもしれません。

 しかしながら皆様の勇気が百倍になることはあります。

 自らの理想と使命に目覚めた時に勇気は百倍となります。

 百倍の勇気を持って様々な苦難や困難に打ち当たって下さい。

 道は必ずや開けます。』

 老骨には、やや目に痛いような、まばゆい法話である。
 ……大川総裁の言葉は、若い方々にどれだけ届いただろうか。

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