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2009-09

9月16日総裁講義「国難選挙と逆転思考」(9) 「夢や志がなくなったら、人間は終わりです」

 講義は大詰めに入る。
 教団内外の、批判的な評価に対して、総裁はこう語る。
 
 大川総裁「成果が上がらなかったので、教団の中でも残念の声もあろう。」
  「宗教が政治に関与すること自体が悪だ」とマスコミ的には流れているので引っ張られる向きもあろう。」(要約 小生)
 しかし、それは結果論である。
 大川総裁曰く、
 「・国民の生命安全を守るための国防政策
 ・景気を良くするための取り組み
 ・高度な福祉社会が来る高齢時代に対応する考え方
 ・未来の構造・ビジョンをつくること。
 それらを目指してやったこと自体、何ら恥じることはない。一定の主張をしたということは、当会自体が一定の段階まで来たことを意味している」(要約 小生)

 大川総裁「政治にはいることにより、これまでの信者で距離をとって離れる人も出た。
 それでも政治に対して、何らかの考えを示さなければならないときがきている」(要約 小生)

 ……思えば、二十年以上前、幸福の科学が、それまでの「人生の大学院」から、宗教法人になるときにも、内部でかなりの抵抗があったことを思い出す。
 あのときは、「なぜ宗教になるのか」「なぜ何かを拝む必要があるのか」等々、さまざまな異論が出たのを昨日のことのように思い出す。
 それでも総裁は決然と宗教法人になり、そしてその選択は今にして思えば正しかった。
 「幸福実現党」も、十年、二十年後ぐらいに振り返れば、同じように感じることになるのだろう。
 先日九月二十二日、八戸の講義で、「宗教の最終ステージは政治化する」という話をされていたそうである。

 また、ここで哲学者ヒュームの有名な言葉のような話が出てくる。

 大川総裁「届かなかったのは、マニュアルとしての選挙戦術であって、政治的な考え方がダメだったとは思わないで下さい」(要約 小生)

 哲学者ヒュームは、一作目の書籍が売れなかったとき
 「マター(内容)が悪いのではなく、マナー(書き方)が悪かったのだ」
 と言って研鑽したという話が、渡部昇一教授の書籍に載っていた。
 内容ではなくて、この世のやりかた、戦い方が悪いと言うことなのだ。
 ……これは政治に限らず、諸芸全般に言えることである。
 たとえば、文章などの創作に関してはよくそうしたことが言われる。
 作家志望者の頭に閃く物語は、どれも素晴らしく感動的である。
 だが、それを時代の人びとの文芸的味覚に合わせる形で、伝わる形で作品化すること、その修行にどうしても十年ぐらいかかってしまう。
 どのジャンルでも、インスピレーションの実現にはこの世での地味な技術研鑽が居るのだ。

 しかし、今回の敗北に限って言えば、幸福実現党だけの研鑽不足ではない。
 総裁は現行の選挙制度にも難があって、
 大川総裁「小選挙区で死んでも比例区でゾンビのように蘇る。ここを、比例は比例できっちり割れば幸福実現党も三議席取れた」(要約 小生)(←ええええっ!?!? そうなのか!?)
 「既成政党の方が有利に全てがなっていて、参入障壁が高く難度が高い」(要約 小生) 
 と述べている。その三議席、つくづく惜しい。

 大川総裁「宗教の名を出さず、既成政党の立候補者を、陰から応援する時には、すごく大きな効果が出せる。けれど、宗教が創った政治団体で投票依頼すると、それほどの効果がでない、ということがわかった」(要約 小生)

 かくして、今回当選したのは、総裁への信仰を裏切る形になった信者議員さんたちであった。
 救いは、その人たちとて、信仰をまったく捨てたわけではなく、各党の中で総裁の理想を実現しようという心はもっておられるであろうことである。
 とりあえず、いまは、聖書に出てくる「夜明け前のペテロ」となった彼らに日本を託すしかない。
 そして、戦いの継続についてはこんなことを話された。

 大川総裁「ロケット打ち上げと同じ。
 失敗するかもと思ったら永遠に打ち上げることは出来ない。
 ショックを受けても批判を受けても改良し考え直してトライしていく。
 夢や志が無くなったら、人間、終わりです。
 チャレンジしなければ傷つきませんが、チャレンジする限り傷つくことはあるかと思います。
 けれども、方向・動機が「この国のため」「世界のため」「国民のため」に少しでも良い方向にチャレンジしているなら、恥じることは何も無いという風に考えています。」(要約 小生)

 堂々たる宣言である。
 こんな見事な敗北の弁があるだろうか。
 以前、日本の、齢五十歳を超えた女性のシンガーソングライターの歌の歌詞に、
 「夢見れば人生は、辛い思いが多くなるけれど、夢見ずには居られない」という一節があったことを思い出す。
 ましてや宗教家の夢は、個人の夢ではなく、人類のための腹の据わった夢である。挑戦は止まないだろう。

 さらに、幸福実現党の最大の強みが語られる。

 大川総裁「先が読める人は世の中にはいませんので、(マスコミは幸福実現党に対して)なんとも言えない。」(要約 小生)

 世界で唯一「先が見える」目を持った人物を師と仰ぐ団体なれば、これ以上の強みはないだろう。

 次いで、今回の敗北が幸福の科学に影をおとしているのではないかという外部の推測についても一言。

 大川総裁「自民党が二百近く議席を減らし、職員の給料減とリストラに入っているが、幸福の科学は採用が増えている。体力はまだまだある。」(要約 小生)
 これは本当のようである。
 小生のご近所の会員さんが、つい先日、精舎に行ったら、この前まで選対スタッフをしていた青年部の若者が、壇上で導師をやっていた。
 ……新規に採用されたのだ。
 この不景気に、すごいことだ。
 しかし、幸福の科学にも悩みはあるらしい。
 「学園、映画、支部展開、海外展開と、相当コングロマリット(複合的)経営で難しくなっている。」
 「宗教や政治の方で評価されないが、経済界の方で表彰されるぐらい難しいこと」(要約 小生)

 確かに、これだけ大変な事業を次々繰り出して、いまのところどれ一つ破綻していない。もうすぐ封切りの教団のアニメ映画「仏陀再誕」などは、前回「永遠の法」百六十三館に比べて五割増しに近い、二百数十もの映画館が、全国で上映してくれるのだそうである。
 そのため、
 大川総裁「経営担当者をもう一段養成しないと運営していくのは困難を極める。
 それぞれの部門で智慧を磨いて、独自で推し進めていけるような戦い方をしていかないといけない」(要約 小生)

 ……経営担当者が必要だというのだから、なんとまあ、不景気もどこ吹く風だ。
 最終的に、独立採算にしていきたいとお考えなのだろう。
 今後は僧団にもエキスパートをいれることが必要になる。
 団体としては、どこにでもいる官僚的な思考をする抵抗勢力になりそうな人たちを退けて、組織に風穴をあけることが必要だろう。
 このあたり、総裁が大抜擢をしている二十代の若い理事たちに期待したい。

 さて、講義の最後のしめとして
 大川総裁「選挙自体には勝つことは出来ませんでした。
 しかし、我々は、元々、常勝思考。
 学ぶべきものは学んで立ち上がって再来する団体です。
 単純な成功よりも学ぶものは多いという風に思ってます。」

 「根本に戻って、宗教の王道としての伝道をして本格的信者を増やしていくことが何事も勝つ道」(要約 小生)

 いっそう強くなることを誓う総裁の言葉によって、講義は幕を閉じた。

 ……この講義はこれで終わるのだが、話としては、これに先立つこと3日前、九月十三日、オレンジのスーツで語られた「伝道の基本」につながっていくように思われる。

いや、それにしても、今回の投稿と考察はひときわ長くなってしまいまして恐縮です。お読みになられた方、ほんとうにご苦労様でした。
 ……今回はちょっとがっぷり四つに組みすぎた。もう少し綺麗に要約して読みやすくなるよう研鑽が必要だと痛感・反省。

 それと、幸福実現党より初の市会議員当選が出たこと、心よりお喜び申し上げる。全国・百万余の票数は伊達ではない。市会議員なら、きっちり当選できる実力があることを見事示された。遠からず、次なる「県議の壁」を突破してみせる御仁が現れるだろう。

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