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2009-09
9月16日総裁講義「国難選挙と逆転思考」(5) 「天使が経営者でも利益は必要」
- 2009-09-28 (月)
- 大川総裁講義シリーズ
さて、大川総裁は、鳩山政権と国防問題に続いて、いくつかのほかの難題にも触れていく。
真っ先に話されたのは、鳩山政権の「経済問題」ついてである。
以下、終盤までの講義の流れを入れ替えて、項目別にまとめておりますので、元の講義を聴くことができる方は是非とも本編をご確認下さい。
(1) 鳩山政権と経済問題について
大川総裁は、「経済的に見て、景気対策が出来るかどうか、これはしばらく見て判断をしてみたい」(要約 小生) と述べた。
しかし、続く言葉を見ると、もう結論が明らかに総裁には見えておいでのようである。
民主の経済政策は、
大川総裁「公共事業、要するにコンクリート系の予算をほとんど削り、社会福祉に回す」(要約 小生)
ということなわけだが、問題なのは、
「90年代から、ゼネコンの倒産は相当、懸念されていた」(要約 小生)こと。
公共工事を止めればゼネコンが潰れる。
ゼネコンが潰れると、ことは社会問題になる。
「ゼネコンは相当失業者対策になっている。ゼネコンで働いている人の数は100万人単位」(要約 小生)なのだ。
民主の言う、「公共事業費を削る」というのは、「国にとって、いままでお金のかからない失業者べらしの方策があったのに、それを、ひとつ潰す」、ということなのだ。
つまり、民主の政策によって、万単位の失業者がこの先出るおそれがある。
総裁は「八ッ場ダムの中止騒動」にも触れ、「7割完成した段階で中止し、町ぐるみ全部に大量の保証金を撒かねばならず、結果的に損をするといわれている」ことに触れる。
マスコミは、さすがに八ッ場ダムの問題になると、鳩山政権擁護はしておらず、地元住民の苦渋の声を多く流しているようだ。
これが全国規模で行われれば、最悪、万単位で失業者が出て、増えた働けない人たちをさらに社会保障で食べさせなければならない。
国は、お金をかけて失業者を増やす。そして作られた失業者に対し、バラマキにバラマキを重ねていくと、
大川総裁 「民主党であっても四年過ぎた以上、今のままでは多分すまないはずですので、必ず増税路線にはなるはずです」(要約 小生)
ああ、もう、こんな話を聞くと、鳩山首相は国費で社会保障をするのではなく、私財で「鳩山施し寺」でも作って、己が失政をあがなっていただきたいと思ってしまう。(すでに北海道には「鳩山神社」もあるというし。)
ところが、ここでまたひとつ、困った考え方、経済的な間違った勉強が、日本をかげらせる可能性がある、と、総裁は述べる。
大川総裁「失業対策が大事な時期に入ると、企業が元気になると言うことが大切」(要約 小生)
なのに、
「民主党は経団連を利益目的の団体だという」「これはもうほとんどマルクス史観にかなり近い見方」(要約 小生)
をしていると指摘している。
端的に言えば、「利潤の追求」が悪いことだと思っているのである。もうけた人は悪い人、と本気で思っているのだ。
それに対し、大川総裁は真逆の価値観を示す。
大川総裁「企業が発展するということは雇用を生むと言うこと。会社の利益を生むと言うことは雇用が出来、働いている人の生活が良くなり、昇進のチャンスが増えるということ。」(要約 小生)
と説き、
ドラッカーの「たとえ天使が社長でも利益は必要である」(要約 小生)という言葉を引用・解説された。
(この言葉は、ドラッカー氏の「現代の経営」あたりにあったように思うが、手元に書籍がないのであやふやである。
……ちなみに、小生は、「たとえ天使が社長でも」のくだりで、松下幸之助氏の顔を思い出した。
松下幸之助氏が霊格の高い天使だというライフリーディングは、あちこちで言われていることである。よって、この言葉が語られた瞬間、全国の信者さんから、
「いやセンセ、『たとえぱ』、じゃなくて、じっさい大阪ではホンマモンの天使が社長やってましたがな」
とつっこみのつぶやきが上がったに違いないとニヤニヤして聞いていた。
そしてやっぱり、「光の天使 松下幸之助社長」も、もうけには最高にうるさい人であった。)
なお、「天使が社長でも利益は必要」について。
ここで、「利潤」という概念を擁護していることから、「やはり大川総裁は利潤追求型の人間ではないか」、と思われるといけないので、この前後にあったとおぼしき、ドラッカーの書物から補足しておきます。
……一般的に、日本では、企業は「利潤目的」のために存在する、といわれている。
なんか社長さんたちが思いきり悪人みたいである。
ところが、それに対してドラッカーは、目から鱗が落ちるようなことを言った。
ドラッカーは「現代の経営」などの書籍の中で中で、「利潤は目的ではない。手段にすぎない」といっており、「利潤動機という考え方が世間の利益に対する誤解と反発を生んでいる」と言ったのだ。
(ここのところ、鳩山首相と民主党は、もろに「利潤動機」というものが大手を振って歩き、人びとを苦しめている、というドラッカーの言う誤解をしているのではなかろうか。あとで総裁が「鳩山氏はドラッカーを読んでいないだろう」と言われるゆえんである。)
ドラッカーに言わせれば、「「利潤動機」なんて言葉はおかしいし、ありえない。利益とは、世のため人のために、明日もっとよい事業をするための必要条件」なのだ、と説いている。
……いや、小生、経済学者の書物を読んでいて感涙ものの感激したのははじめてであった。
たとえば上級公務員の試験のための経済のテキストにも、しょっぱなにこういう「人間は欲望で動く」みたいな理論が書いてあって反発した記憶があり、「なんだこれ。違うんじゃないか。人間をすごく哀れにとらえすぎているぞ」と、ずっと悔しい思いをしていたのだ。
(というか、みんなこんな左翼的なテキストを使っているのだなあと思うとぞっとする)
だが、ドラッカーはその理屈を理屈でもって覆した。
……ドラッカーの経済論には感動がある、とこのときしみじみ思った。
健全な人間精神への洞察にあふれているのである。
幸福の科学流に言うと、ドラッカーは、「ヘルメスの精神を具体化・理論化している」学者なのである。
ドラッカーのこの部分の思想は、先の松下幸之助氏の言う、「 儲けは大切だが 『奉仕が先、 儲けが後 』」という精神に通じている。
(……以下は小生の理解で恐縮だが、このフレーズを読んだとき、小生は会社を人間に喩えて言うと、「食物を得ることは生きていくのに不可欠だが、人間は食物を得るために生きる生き物ではない」といった感じで記憶していた。
人間を会社、食物を利潤、として考えると、遠くないたとえになっていると思う。
食物を沢山得ることができれば、人に分かち与えることもできるのである)
そこをわかっているのが、本物の商人なのだ。
以上、ドラッカーはその流れの中で「天使が経営者であっても、利益は必要」と語っている部分について、補足をさせていただいた。
……しかし、ドラッカーを読まないにしても、鳩山氏は、そのへんの機微を、ブリジストンの大財閥のそばにいて学ばなかったのだろうか。残念の一言に尽きる。
さて、大川総裁はそれにつづけて、
「だから、利益がなければ企業体を維持し、発展させることはできない。」
「労働者の立場に立っていると言うが、利益がないけれど賃上げだけ要求すれば会社は潰れる」
「鳩山さんはドラッカーを読んでいない。この辺は啓蒙していかないといけない」(要約 小生)
という。
民主党が、
大川総裁 「オバマ大統領がウォール街で、百億、五十億ボーナスをとることを批判している」ように、
「富を憎んでいる傾向性が出ているのだったら危険」(要約 小生)
ということである。
もっとも、大川総裁は、一方的に非難するばかりではなく、鳩山民主が経団連に冷たい理由に対して、民主党の意図を察してあげてもいる。
大川総裁「「経団連が政治と談合して利益を生むシステムを破壊するために必要なら、一定の効果はあるだろう」 「経団連系企業に変わって他の企業が良い仕事をして日本経済を引っ張ってくれるなら悪くない判断」(要約 小生)
と、いうのがその洞察である。
しかし、やはり
大川総裁「企業の発展自体を悪とする思想が蔓延するのはすごく危険」(要約 小生)
なことにかわりはない。
結論として、
大川総裁 「日本が社会主義の国なのか、資本主義の国なのか、両面持っている面はあったとは思うんですが、単に左に揺れすぎると、実は労働者の雇用も守れなくなる」(要約 小生)
という言葉が印象的であった。
そして、民主党の目玉である、「子育て支援の結末」ほか、様々な問題についても、総裁は言葉を濁しつつ、柔かな予言のようなことを述べていく。
……次回に続きます。
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