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映画 仏陀再誕 感想レビュー(2) 吉野裕行さん銀河万丈さん登場! 動き出す物語。
- 2009-10-19 (月)
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ここまでで、映画は最初の十分が終了。ホラーの部はこれで終わりのようである。
『駅で「何考えてるんだっ!」と若い茶髪の兄さんに怒鳴られたヒロイン』
あ。茶髪の兄ちゃんの声は吉野裕行さんだ。
吉野さんというと、吸血鬼の少女を描いた「BLOOD+(ブラッドプラス)」で、ヒロインを恋慕しつつ守る義理の兄役の宮城カイとか、「魔人探偵 脳噛(のうがみ)ネウロ」のチンピラ吾代さん役(←小生、この人の演じた芝居の中で一番好きな役)とか、あと「CHAOS;HEAD(カオスヘッド)」の主人公の超妄想が特技のオタク青年(すみません、名前忘れました)とかが印象に残っている。
ちょっと軽めで問題児な青年役が多いだろうか。今回の声がどれに近いかと言われたら、役柄的にもBLOOD+(ブラッドプラス)のカイに近いような感じではある。
そういえば、「仏陀再誕」の監督は、「CHAOS;HEAD(カオスヘッド)」と、同じ石山タカ明さんだ。「CHAOS;HEAD(カオスヘッド)」というのは、かなりぶっ飛んだ、お色気もグロも満載のアニメで、主人公の妄想っぷりが半端なく、しかも、途中で人間の妄想と現実世界の区別がつかなくなっていき、それを量子力学で説明していた話だったような。
お仕事とはいえ、極左から極右に来たような凄い作品の幅に感心してしまう、
さて、場面は変わって、
『スターバックスらしい喫茶店のシーン。
茶髪の兄さんとヒロインの会話』
ここ、ちょっと見ていて違和感がある。
会話の途中まではいいのだが、
ナプキンに書いた絵を「この下手な絵と字、何とかならないのっ!?」とかみつくヒロイン。
笑うとこなんだろうが、それ以前に、
ええええっ!? 初対面で助けてくれた人にそんな失礼なこというの!?
と驚き、
そもそも駅であったばっかりなのに、なんかこの二人、ずいぶんずけずけものを言い合うなあ、最近の若い人って、もっとお互い愛想が悪いみたいな、壁をつくってるような感じなんだけど……と思っていたら、
なんと茶髪の兄ちゃんが元彼だったらしいことが会話の終わりに判明。
えっ。
これは小生がなんか見落としたか?
それとも最後に二人の関係を明かして、お客をびっくりさせる演出なのか?
だとしたら、そこまでいく間に、いきなりずけずけものを言うヒロインたちが無神経に見えて、特にヒロインの好感度を落とす危険がかなり高いみたいに思われるのだが……。
うーん、これが若い人の感性だよ、と言われてしまえばそれまでであるが、ここちょっと、シナリオのミスっぽく見えなくもない。
まあ、ここは、年齢のいった視聴者たちがスムーズに視聴するには、
駅での「何考えてるんだ!」のあと、ヒロインが振り返って驚いて彼氏の名前をつぶやく、とか、
喫茶店での会話の最初のきまずーい雰囲気の中で「久しぶりだな」「元気、してたか」等の台詞を彼氏がぼそぼそ言う、
あたりのシーンを各自で脳内に補完して楽しまれるとよろしいかと思う。
ちなみに、ナプキンに描かれた、シンプルな魂とか転生輪廻の絵は、なんか初期の会員さんとかがよく書いていた覚えがある。
あんな説明の仕方、やっていた人がよくいたなあと思うと懐かしい。
喫茶店で説明というのも、あるある、という感じだ。あんな感じだったんですよ、初期の活動って。よくあらわしてるなあ。
『ついに、喧嘩別れみたいになって立ち上がる二人。ヒロインは傷ついてしまって話をしたくないようだが、茶髪の兄ちゃんは未練タラタラなのか?』
でも、アイスコーヒーはゴミ箱に捨てても、彼氏の書いたメモは握りしめているヒロインなのだな。
『そこへ、喫茶店の近くを通りかかって、姉の「元サヤ」スクープに気付いてにんまりの弟。
帰宅後、彼氏との出会いと破局を振り返るヒロイン。そして風呂』
入浴シーンはありますがサービスカットはありません。(当たり前だ!)
『回想の中、遊園地のデートが急に彼氏の都合で中断になり、ヒロインが買ってきた巨大なソフトクリームが溶けて涙のように指の間からしたたる図に、ヒロインのつらさが象徴されてしまう』
ここは良シーン。(あれ、でも、小さい方が彼氏ので、あのでっかいソフトクリームはヒロインが食べるぶんだったのかと考えると笑えるんだが)
もう一押し破局後の心の傷口を象徴するシーンをいれると感情移入しやすいが、映画自体、全体にあっさりとした演出や台詞を心がけているようだ。
なおこの映画は、「再誕の仏陀の出現が一つの柱だが、この一組の破局カップルが元サヤにもどるまでの精神的成長話がもう一つの柱」だと、伴侶が言っていた。
その恋愛パートは、どうやら喫茶店でのキャラの崩し方といい、告白のシーンといい、茶髪の兄ちゃんのやたら足の長い頭身といい、どうも少女漫画のノリらしい、とわかる。
うわー、小生はたいがい本なら何でも好きだが、少女漫画だけは子どもの頃から苦手で、川原泉さんの漫画しか愛読したことないんだけど、この先、大丈夫かなあ。
『ヒロイン宅、風呂上がりの台所。
一滴しか残っていない牛乳を根性でじーっとコップに注ごうとするヒロイン。牛乳の一滴はなかなか落ちない。弟はUFO騒動のテレビを皮切りに、次々とザッピング。
そして、とうとうチャンネルは「再誕の仏陀 宗教団体 操念会」の会長の出演している番組にヒットする。「再誕の仏陀」の単語に驚くヒロイン、落ちる滴。』
このあたりの長い一枚カットの使い方、上手い。
エヴァンゲリオンTV版で、シンジくんミサトさんが長く長く駅にて無言で佇むシーンとか、涼宮ハルヒの憂鬱で、長門さんがえんえん一人、部室で読書していて、外の音だけが聞こえ続けるシーンとか、ああいう日本のアニメにしかできない間の取り方がよく生きていると思う。
そして、銀河万丈さんが登場である。
全世界二百万信徒(少ないな)の「操念会(そうねんかい)」会長、荒井東作(あらいとうさく)さん役である。もう、声や人相で悪役臭がぷんぷんする登場っぷりに、小生はにんまり。
しかし、普通、宗教映画では、銀河万丈さんが主役の会長先生の声をあてる、とかになるのだよなあ。 それをやらないのが幸福の科学らしい。若造、もとい、若い人の味方、みたいな精神の柔軟さを感じる。
『そこへ、突然の地震。
座って指示してないでヒロインも動きなさいってば。(これはこれで味はあるけど、働く娘のほうが日本のお客から見てて好もしいだろうから)
テレビでは、天井から落ちてきたライトを念力でひっくりかえして司会者を救う荒井氏。さらに、司会者に「憎まれているみたいですよ?」と一言』
いきなり念力の使い手であることをカメラの前でアピール。タイミング良すぎる地震ももしかしたら意図的に起こせるのか?
ヒロインは、テレビ越しに、司会者の背後に恨みの念を見て、「この人にも見えているんだわ」と思いこむが、実は「あなた、憎まれてますね?」は、詐欺めいた宗教者や占い師の使う常套文句の一つである。誰にでも当てはまるからね。
ともあれ、吉野さんの登場で恋愛パートが、銀河さんの登場で宗教バトルパートが、どちらも始まった。ここは、「吉野さん、銀河さん、お疲れさまっす!」と言いつつ、続きを視聴することにする。
……っていうか、ここまででやっと映画二十分程度ですね。このままいったら今月いっぱい映画のレビューをしてしまいそうな気がして恐れおののいている小生であります。
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