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2010-01

11月17日 幸福実現党再起動大会「坂本龍馬・幸福政治実現祈願」(3)  ナチズムに最後まで抵抗したキリスト教会

 講義の後半は、現在(2009年11月)の状況についての、総裁の考えが述べられる。
 まず、
 『古代、そして維新の国づくりの際に出た神々が、「いま、新しい国難が来ていて、ここで立て直ししないと発展繁栄が維持できない」と感じて指導している。』『熱い思い』

 について述べ、
 幸福実現党について、宗教が売名のためにやっているという批判 (←まだこんなこと言う人がいるんだよなあ) に対して、

 『命が惜しかったら明治維新もしないに限る。志士はほとんど斬り殺された。だが、大義のために脱藩し、幕府・外国と戦った。
 その十年、十五年、国難の時期に戦った人は非常に勇気があった。
 ここでリーダーがおらず、意気地無しばかりだったら、欧米列強にケーキのように切り分けられていた』(要約 小生)

 と応えている。
 「ケーキのように切り分けられた」というのは、前に総裁もおっしゃったことがあるが、アフリカの世界地図のように、その土地の、昔からある山や川や部族などによる区分けを無視して、完全に植民地として縦横にナイフを入れた状態で国をわけた姿である。

 あんな風になるところだったのを、守ってくれた人々がこの国にはいたのだ。
 問題は、いま、全員が「リーダーがおらず意気地無し」ばかりのような状態で、しかも国民全員がそれをよしとしていることである。それについて、

 『民主は平成維新と言うが、政権をとって二ヶ月、マスコミも不気味なものがきそうだという不安は感じている。一つは外交、一つは長期不況。
 これは幸福実現党が立党以来いっていたこと』(要約 小生)

 いまのマスコミの批判は、すべて幸福実現党の後追いであると言っても過言ではないと思う。
 そして、新しい論点として、

 『アメリカのリーマンショック以降の大暴落で「百年に一度の金融危機」といわれたが、日本人は資産運用を株でやっている人は六パーセント程度。実質被害は三パーセント程度。
 この程度なら、夏に実現党が言ったように、消費税を下げる程度で乗り切れた程度の不況。』(要約 小生)

 三パーセント程度の不況という、具体的な数字が出た。
 なんということだ。
 百年に一度の不況と騒いであおった正体は、たった三パーセントの被害だったのか。

 しかし、今後はそれではすまない、と総裁は言う。

 『民主党の予算の仕分けで構造不況を起こす可能性が高い。』
 『経営資源で一番大切なのは時間。これから流行る商売は、時間を縮めてくれるもの。
 だが、民主党の経済改革は、時間を遅らせる方向に向いている。空港、新幹線、交通革命に対して、非常にアンチの考え方を持っている。』(要約 小生)

 言われてみればその通りである。興味深かったのは、このあと、

 『時間を縮めるのと、採算を取ることはまた別。
 サービスを作り、大勢に利用して貰う事業戦略をしてマーケティングをする。
 その経営努力があって赤字が黒字になるのであって、それをせず、最初から「儲からないからなくする」考え方は非常に怖い』(要約 小生)

 ここでいう、

 「時間を縮めることがこれから伸びていく企業の条件」
 「採算を取るのは、経営努力」

 という点は、さらりと仰ったが、成功を志すものにとってはかなり大きなヒントである。
 時間の短縮については、道具の発明もあれば、「大量の情報を読み込んで、簡素版を出す」というような知的なサービスもある。
 また、一見黒字にならない部門でも、それとは別に採算を取るのは経営努力でなんとかなるのだ、というのもすごい。
 しかし、沸いてきた勇気に水をかけられてしまうのは、この国全体が、そのポイントをあえて外そうとしているので、ここ当面、まちがいなくこの国は衰退していくのだ。

 さらに、この党独特の非常に勇気のある発言が出てくる。

 『CO2が地球温暖化の原因とは断定できない。単なる仮説である。』(要約 小生)

 いまのところ、これを言っている政党は幸福実現党のみである。

 『当会が言ったあとで二冊ほど後追いでそうしたテーマが出てきて、逆に「寒冷化」の恐れが出てきた。 
 にもかかわらず、「環境全体主義」「CO2全体主義」を言われたら誰も反抗できない。』
 『普段信仰心もない人たちが、こんなのだけは世界一致で信仰心をすぐ持ってしまう不思議。科学的なものになるとあっさり信じる』(要約 小生)

 人々の新たなる「間違った信仰」である。本当に、民主党が素晴らしいという論旨にせよ、環境問題は水戸黄門の印籠みたいな扱いになっているにせよ、どうしてこんな変なことばかり信じてしまうのだろうか。やはりマスコミの技術なのだろうか。とすれば、この心理誘導の技術を上手く使えば、逆に人々を善導する方向にも持って行けそうなのだが……と小生がつらつら考えているうちに、総裁は、

 『経団連の会長が、「中国・アメリカが参加しないなら会議などに出るな」といっていることは正しい。』
 『日本だけ政策をすすめれば世界の尊敬を受けると思っているならドンキホーテそのものだ』(要約 小生)

 と、手厳しいことをばしばし言う。

 しかも、傑作なのが

 『鳩山首相はタイヤを消耗するものについて、エコカーなどには非常に積極的だが、列車や新幹線には冷淡。
 ブリジストンが儲かって政治資金に困らないようにしているのではないか』(要約 小生)

 わははははは、はじめてききましたよ、そんな批判! (←笑い事じゃないぞ、小生!)
 総裁の批判の切れ味はどんなマスコミよりすさまじい。
 冗談めかして総裁はおっしゃるが、言われてみればその通りであって、こんな自分に都合のよい政策を平然と推し進めている首相というのはかなり問題である。

 また、面白い逸話として、

 『小沢幹事長は高野山で「死ねばみんな仏様である日本の仏教は素晴らしい。といっているが、これは高野山の教えではなく天台山の教え。しかも、その考えは日本独自の仏教の誤りである。仏教の誤りをすばらしいと褒めている。』(要約 小生)

 というトピックス。
 ……うーむ、そうか、あの御仁の仏教理解は、やっぱりその程度なのか。
 というか、心にやましいことがある人にとっては「死ねばみんな仏様」というのはじつに都合の良い教義なのだろうな。

 『キリスト教の天国と地獄、あるいは天国と煉獄、あるいは地獄がある思想というのは非常に深いようで、狭くて厳しいように、また他宗排撃的にも見えるとこもあるようにいうが、善悪が分かるというのは智慧の初め。
 天国地獄が分からないというのは、やはり智慧がないというのと一緒。』(要約 小生)』

 そうですよねえ、やっぱり。
 なのに、困ったことに、この「日本独自の仏教の誤り」は、みな知識人が感激しているところでもあり、谷沢栄一氏などは「宗教を超えた」と激賞していた。
 コミックやアニメのなかでも、この思想はまかり通っていて、作者が傲然と主人公に語らせていることも多い。(すごいところでは、この台詞を、金髪碧眼の美男子でマグナムをぶっぱなす、法衣を来た「玄奘三蔵」が語っているマンガもあるくらいだ。『最遊記』というコミックである。作者は勉強したのだとは思うが、いかんせん、勉強の方向が違っていた)
 ……この「死ねば仏」というのは、常識からかけ離れている思想なので、気が利いているように見えて面白いのだ。
 だから、小沢さんだけでなく、若い層にも浸透している可能性がある。頭が痛いところだ。
 しかし、こうした人々と論戦になったとき、「いまだにアジアでは、黄色の衣で戒律を守ってくらしている仏教徒達がいるわけであり、その存在をどう考えるのか」というところから、書籍「悟りの挑戦」あたりの、「最澄さんが間違ったんだよ。世界の仏教は日本の考えとは違うんだよ」という切り崩しが出来るのではないかと思う。

 『はっきり言えば日本の仏教というのは、もうどんな悪いことをしてもみんな仏さんになれるんだと、小沢さんが考えているなら、それは自分にとって非常に都合の良い思想だろうと私は思います。
 でも、あの悪相だったらそう簡単には成仏とはできるとは思いませんので、早く改心をされることを願いたい』(要約 小生)

 『小沢氏は、宗教法人課税をちらつかせて、創価学会と幸福の科学を脅しているところである』
 『しかし、宗教史を見れば政治と宗教はずっと密。』(要約 小生)
 
 
 なにより、

 『ナチズムに最後まで抵抗したのは教会である。ユダヤ人皆殺しはまちがっていると、抵抗したのはキリスト教会である。
 教会はいざとなれば戦いの砦になり、悪政から民衆を守る要塞になった。
 石造りで堅固で、大きな扉なのはそのためである。
 イタリアの山の教会では弾薬庫があった。教会は最後の砦なのだ』(要約 小生)

 として、

『正心館の精舎も圧政・暴政から人々を守るための自由の砦、プロテクターとして戦おうとしている』(要約 小生)
 と説かれた。

 ナチスの虐殺にあらがった教会……この事実にはしびれた。
 ユダヤ人というのは、キリスト教を否定している。キリストを否定して、いつかくる「旧約の救世主」をいまでも待ち続けているからユダヤ教徒なのだ。
 なのに、教会は、自分たちを否定しているユダヤ教徒の大虐殺に否といったのだ。

 『宗教は自由の砦なんです。宗教があるからこそ言論の自由は保たれているんです。宗教がないところに言論の自由なんかありえないんです』
 『神様を信じることさえ許されないなら、もうそれ以外のもの何も信じることはできません。信仰が守れないなら、守るべき人権はない。』(要約 小生)

 NHKのこどもニュースでは、宗教を諸悪の根源とし、鳩山政権をすばらしいものと取り上げる偏向ぶりで子供達を洗脳にかけているが、こうした事実や主張は、洗脳を論破するコマとして、いつでもディベートで使えるように頭の中に入れておきたい。

 しかも、「全体主義」「社会主義」に傾いていく政府に対して、激しい警告が、ここでなされていく。
 この論点も初出である。それは

 『今、もし東アジア共同体とかいって、中国の思惑通りアメリカ・インドを入れないで、東アジアだけでブロック体制、ブロック経済をつくったら、かつて満州で起きたことと同じことが起きて、やがてしっぺ返しがなされると、私は思います。』(要約 小生)

 満州で起きたこと、というのは、先の大戦で、満州を日本が領土とし、満州鉄道を敷くときに、アメリカが利権ほしさに共同経営を申し出たときに拒否したことである。
 そのために、包囲陣を作られて、戦争に追い込まれたという経緯のことである。
 なんと、それと同じ事が起きようとしている、というのだ。

 『オバマさん今回、日本に来られて、一員に加えてくれと一生懸命PRして回ったはずです。日本に来、APECに行き、それから中国に行き、あのアジア太平洋の一員に加えてくれと、一生懸命、お願いしてます。
 聞かなければ駄目です。これをアジアという概念から見たら違うとかいうようなことで、排除しますといずれ次の戦争の引き金になる可能性が高いと思われます。
 その戦争は日本を守ってくれる戦争でなく、日本を侵略する可能性のある国を守るための戦争になるという、逆説的な戦争になる可能性が、極めて高いものです。』(要約 小生)

 民主党の外交担当まわりには、安保の亡霊のような人たちがいて、アメリカをけっ飛ばすことにこたえられない快感を味わっているようだが、それは新たな戦争の火種を産んでいるのだ。
 「日本を侵略する可能性のある国を守るための戦争」というのは、中国のことだろう。
 中国のために日本がアメリカと戦う。こんなばからしい展開を、民主党が高い支持率を背景に迎え入れようとしているのだ。
 このままでは日本は「友愛をかかげて戦争を呼び込み国を没落させた愚かな国」として世界史に名をとどめてしまう。

 『アメリカは敵じゃなくて、日本を守ろうとしている国です。そこを敵視して、外交的に失敗するんであれば、この政権は存在する意義は無いと私は考えるものであります。』(要約 小生)

 と総裁が言うのもまったく過激でもなんでもないことである。

 そして、最後に

 『宗教に見識がないと思っているなら、そういう国民の方に、むしろ見識が無いと私はいいたい。
 民主主義は有史の中で発明されたものですが、宗教は、もうほんとに人類と共にあったものです。
 ですから、人類を幸福にするためにあり続けるものです。何とかこの世を良い国に変えていくために身命を賭して頑張りたいものだと思います。』(要約 小生)

 という熱い主張で、講義が終わりを迎えた。
 この講義を境に、実現党、いよいよ再戦の幕開けである。
 成るか? 今年の、実現党の勝利……。
 

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