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2012-05

今、読まねばならない「日本武尊の国防原論」(2)

 「日本武尊の国防原論」の、前書きの一文目にはこう書いてある。
 「日本の国防に関しての基本的考えは、日本武尊の考える通りでよいだろう」(まえがき)
 ……この霊言を、支部で聴かれた方は読んで「ええっ?」と声を上げたのではないだろうか。
 なにせ、この霊言は、今年に入って支部で公開された霊言の中で、最も具体的かつ過激な印象を受けたものだったからだ。
 その論点を抜いてみると、
 「アメリカの『弱腰』は作戦だ」
 「日本はいかにして核を持つか」
 「中国を弱らせるための日本の人材輸出」
 「日本は戦争によって中国の開放や韓国の守護をした」
 ……等々。
 そして、「沖縄ぬきの防衛論を考えよ」という提言。
 武尊の考えは、これまで登場した他の霊人と異なっている箇所がある。
 今年どころか、これまで収録された霊言のなかでも、きわめてユニークだと言えるのではないだろうか。
 ところが、大川総裁は、
 「これこそ、実現党の向かう方向だ」
 と断言したのだ。
 これすなわち、そこまで日本は追い詰められている、ということに他ならない。
 そうした思いを持って読んでいくうちに、ちょうど2年前のことを思い出した。

 2年前、実現党は、当時としては過激な国防論をひっさげて登場した。
 当時、実現党のみが使っていた「国防」「国難」「国益」という単語。
 あの時の日本人にはずいぶん耳慣れず、左翼新聞に毒された人々には「軍靴の足音」的にすらひびいたであろう。
 だが、今では、平然と政治家やコメンテーターたちが使っている。
 彼らの厚顔さは呆れるばかりだが、少なくとも、日本人にこれらの概念を意識させた、これはまさしく、幸福実現党の手柄以外の何ものでもない。
 この党の主張は、発足当時から数年先を見据えた主張を打ち出していた。
 ……ということは。
 同じことがまたもや、起きるのではないか。
 現時点では極めて過激に見えるこの霊言が、数年後には日本の常識になる確率は、きわめて高いように思う。
 おそらくは数年後。
 このままでいけば、中国の侵略計画が半ば成功していることだろう。
 沖縄をはじめ、幾つかの島や都市が、中国の掌中にあり、日本がもうのっぴきならないところまでいくだろう。
 そのときに、この国の人々はどうしていいかわからないはずだ。
 なにせ未だに憲法九条を「写経」して、平和への祈りとしている、なんてニュースが流れるくらいなのである。
 「平和を唱えれば平和になる」としか教えられてこなかった民族である。戦うキバも戦さのための脳のはたらきも、とうにこの国から失われてしまった。
 だが、そのとき、日本が取るべき手段は、すべてこの一書に書いてある。
 この一書の戦略に従ってゆけば、少し未来の日本人たちは、映画のコピーのように、「日本奪還」を成し遂げることができる。
 そして、日本を守りきることができれば、確実に日本は、その地力によって、世界一の国家へのぼりつめるだろう。それが冒頭の大川総裁の言葉に集約されているように思う。
 日本にはまだ未来がある。その鍵の一つ、宝剣の一つが、この一書だ。
 古事記にいわく、日本武尊は、野中で火攻めにあった絶体絶命の状況で、草薙剣を打ち振り、火打ち石で逆に火を放ち、迫り来る炎を逆転させて窮地を逃れた。
 いま、日本にとっての「草薙の剣」は、武尊自身の霊言したこの一書そのものである、といえるだろう。
 伝説によれば、日本武尊ご自身は最期に草薙の剣をその身から離してしまい、帰天されてしまったというが、日本の独立を守るために戦わんとする人々は、この一書を、その心から手放すことなく、日本を守っていって頂きたいと祈らずにはいられない。

 では、一つずつ、論点について、ささやかな感想など申し上げてゆきたい。

 第一章の伝記については、懐かしい気持ちで読まれた方も多かろう。
 小生も、小学校の低学年ぐらいに、デ・ラ・メアの「聖書物語」より早く、子供向けの集英社の「日本神話物語」を読んだ記憶があるが、その本の最後は、ヤマトタケルの物語とその最期でおわっていて、読むたびに鬱になったものだった。
 ここに紹介されているエピソードの一つ一つには、小生のみならず日本人の多くが思い入れ深いはずだ。あの悲しい物語の主役の貴公子が、不憫な帰天ののち、健在であるというのは、日本人にとっての朗報だろう。

 国防に関する戦略は、第二章より開示される。
 まず、「アメリカの衰退と、中国の内部崩壊の可能性」(P35)。
 「アメリカが『世界の警察官』でなくなる」という意見は、すでに総裁の書籍の愛読者には常識となっているが、面白いのが中国に関する意見。
 ここでは、
 「中国が、GDPで日本を抜いて世界2位になることは、彼らにとっての不幸である」 「これが、中国にとって『大きな崩壊の芽』となる」
 という趣旨が書かれている。
 ようは、中国のバブル崩壊によって、中国の覇権化が相当鈍るのではないかということ。
 じつは、中国のバブル崩壊に関しては、幸福の科学の予言者たちの霊言では、さほど重要視されていなかったように思う。
 ジーンディクソンなども「たいした要因にならないだろう」と語っていたように思うし、習近平もまた、その霊言で、「バブルがはじけたとしても、もともとうちの国は貧しいんだからたいしたことはない」みたいな言い方をしていた。

 だが、大川総裁はかなり早いうちから、中国のバブル崩壊は中国の覇権化を阻止する大きな要因の一つになるというふうに考えているのではないかと思われ、講演を聴いていて、「おや?」と思ったことがある。
 日本武尊の発言は、そうした大川総裁の発言を更に一歩具体化し、予言化したような印象がある。 
では、いかにして中国は弱められていくか。
 そのシナリオの一つが、「中国のGDP世界第二位の獲得」、だというのだ。

 これまた、意表をついた予言である。(次回に続きます)

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